スポンサーリンク

字書きの印刷会社選定忘備録

2019年4月2日

こんにちは。
同人誌を自力で製本する器用さに恵まれなかった私はおとなしく印刷業者さんに印刷・製本をお願いしました。
特に不満なく印刷できたのですが、今後も何か本を作ろう、となったとき(関連サービス目当てで)別の印刷会社さんで頼むことも考えているので印刷会社さんの探し方について忘備代わりに記事にします。

先に結論ですが、特に字書きにとってはそれほど印刷の質について気にすることはないでしょう。それよりは入稿できるデータの種類や、最小印刷部数が希望に合うかで印刷所を選んでください。
そう、カラーの色味やベタ塗りの綺麗さについて気にしなくてもよい私たち字書きは、印刷所選びにおいて絵描きさんたちにはない大きな自由があるのです。
表紙をどなたかに依頼している場合など全力で理想の表紙になるように印刷会社を吟味するのもいいですが、無地の表紙に黒い字でタイトル書いただけでも綺麗に製本されていると「これはまごうことなく本!」という気持ちになれます。

しかし、「折ってあれば、それはもう本」という先達の力強いお言葉もありますので皆さん納得のいくように作りましょう。
ありがたいことに同人誌製作については印刷会社さんの方でも注力してくださっており、2019年4月現在、思い立ったらすぐに実行できるという素晴らしい環境があります。本当にありがとうございます。

さて、前置きが長くなりましたが字書き(小説書き)が同人誌の印刷会社を探した話を忘備録的にまとめます。
記事の前提ですが「初めて同人誌の印刷を発注する・自家通販予定の人向け」に記事を作成しています。

印刷会社選び

まず印刷会社を探します。原稿が出来上がった状態で探せると精神衛生上も大変よいと思いますが、いいんです。これから書く作品のイメージだとか保存形式だとか考えるためにも印刷会社から探してみましょう。
前書きにも書きましたが、字書きであれば印刷の質は度外視して選んでも大丈夫です。
以下の点を自分の希望に合った形で抑えている何社かを比較して検討します。

  1. 考えているサイズ・発行部数が印刷できるか(特に最小部数は確認しておくこと)
  2. 入稿データの形式(データの保存形式)
  3. 入稿から印刷した本が手元に届くまでの期間
  4. 印刷したい形式についてプランやキャンペーンがあるか(お得な料金設定があるか)

上記はそのまま優先順位です。
1.まず、考えているサイズ・発行部数が印刷できないのであればそこで終了です。次の印刷会社さんを調べましょう。字書きであれば、文庫(A5)サイズかB5で印刷することが多いと思いますが絵描きさん向けの印刷会社さんだと文庫サイズを扱っていないところがあります油断せず確認しましょう。
2.次に入稿データの形式を確認します。Wordで入稿できるところ、PDFでしか入稿できないところ、絵描きさん向けのファイル(PSDなど)でしか入稿できないところなどありますので自分が作成できるデータの形式に対応している印刷会社さんを選びましょう。ちなみに印刷した原稿を郵送して印刷してくれる会社さんもあるのですが、ページが入れ替わらないように郵送したりだとか、何かあったときのデータの修正変更・保存について難点が多いのであまりお勧めはしませんし、
3.イベントに合わせて発行する場合は特に、気を遣いましょう。イベント会場に直接搬入してくれる印刷会社さんもあります。ただ、配送事故が起きる可能性もありますので体力とスケジュールが許す限りにおいて事前に手元に送ってもらって自力で搬入できた方が安心だと思います。
イベント関係なく自家通販を行う場合はPixiv株式会社さんのBOOTH(BOOTH倉庫サービス)がおススメです。
→BOOTH倉庫サービスってどんなもの?
4.お得なキャンペーンがあるかの確認も必ずしましょう。イベントに合わせたプラン(会場に搬送してくれる、締め切りが遅めに設定されている、など)や字書きさん向けのプランなどもあります。(表紙や本文が一色刷りならお安く、など)また、キャンペーンの対象になるかどうかに部数とページ数が関わっていることが多いのでキャンペーンの対象になれるかどうかについても各社で比較しましょう。

そのほかのポイント

絶対条件ではありませんが、せっかく同人誌をつくるのであれば拘りたい(と思う人が多そうな)ポイントとしては下記の通りです。

  1. 紙(用紙種類・加工)
  2. 構成(遊び紙の有る無しなど)
  3. カバーや帯など付属品の作成
  4. 価格
  5. 既に利用したことがある

1.用紙の種類については紙の色や、厚み、質感などがあります。表紙はともかく、本文用紙については王道がありましてページ数が多いなら薄めの紙(Kg表示が軽いもの)、色は真っ白よりはクリームがかったもの、と言われています。もちろん好みで王道を外れるのは全然OKです。本文の文字色を変えたり、文字自体に背景色を付けたり好きなように作っていいのです。表紙については王道さえありません。キャンペーンやパックで指定されていれば、もちろんそれに従いましょう。
2.遊び紙(表紙の次に多くは無地の色紙を挟んでいるもの)を付けたり、大手出版社をまねて(特にカラーで)挿絵、口絵を入れたりしたいのであればそれに対応したプランを選びましょう。表紙がカラーかそうでないかで料金が変わるのが大勢です。
3.帯についてはプランやキャンペーンで本とセットになっている印刷会社さんもあります。帯を付けたいなら本とセットのプランがおススメです。加工の都合で別の印刷会社さんに頼むと当たり前ですが帯は帯で届くので自力で本にセットすることになります。
4.同人誌印刷をメニューにいれている印刷会社さんの多くではブラウザ上で簡易な見積もりができる会社さんが多いです。大体のイメージ確認のためにも、少なくとも一回は確認してみましょう。しかし大事なのは作りたいものが作れるかなので価格の優先度はあまり高くありません。表紙までオールモノクロで印刷するのであれば極端な単価差もありません。最小部数の差の方が影響が大きいです。
5.今回前提の条件からは外れますが、一度利用したことがある印刷会社さんであれば会員情報や入稿データの情報が残っていて、再販する場合に便利なことがあります。

☆紙の供給不足について

2019年4月現在、印刷業界では紙の不足のため取り扱いが中止しているプランも多いため、念入りに確認しておくことをお勧めします。複数の製紙業者が揃って紙の値上げをしたこと、東日本大震災などの影響での減産があったこと、書類の電子化が進んでいるので製紙業界が供給を絞る方向に動いていること、など複数の要因が絡んでいる紙の不足に対し同人誌は影響を受けやすい立場にあります。気を付けておきましょう。

原稿を作成

印刷会社を選んだら原稿を準備します。入稿時には基本的に印刷してもらうページ数を明示する必要があります。先にページを決めて書く、という芸当ができる方もいらっしゃるそうなんですが、無難に行きましょう。
また、入稿形式に合わせた保存をするために変換が必要になる場合は対応した保存形式に直したうえで一度読み直してみるのがベストです。(Word→PDFにしたらレイアウトがズレた、などの事故防止)
……私は書き上げた直後は読み返したくなくなっているので書き上げ後、入稿形式に変換してから一日置いて、斜め読みで確認して入稿したのですがかなりの誤字とレイアウト崩れが出てしまいました。

入稿

データ入稿であれば印刷会社さんへの会員登録や、原稿の情報入力ができれば原稿データをアップロード入稿して、ハイ終了。というものすごい簡単さです。このあたりの仕組みはどの印刷会社さんを選んでも大きくは変わりません。いい時代になったものですね。あとは料金を確実に振り込みましょう。
自家通販であれば納期を気に病むこともないので出来上がりを気楽に待ちます。
ちなみに、ごく少数部しか印刷しない場合では面付の都合か頼んだより多い部数が印刷されてくることがあります。ありがたく受け取りましょう。

総括

字書きさんであれば印刷の質にはさして拘らなくても問題ありませんので、入稿するのに困らない印刷会社さんを選びましょう。
基本的にはデータで入稿します。
出来上がった本を自家通販するならPixiv株式会社のBOOTHさんのサービスがおススメです。
→BOOTH倉庫サービスってどんなもの?